相続手続きの流れと各ステップの注意ポイント

① 相続手続き全体の流れを知ろう

相続というのは、だれしも無関係ではありません。しかし、相続に関わるまでは、相続や相続手続きについて、あまり理解をしていないという方が多いのも現実です。
しかし、そうなったときにあわてないよう、相続手続きの全体的な流れを知っておくことは必要です。
そもそも相続手続きですが、これは、被相続人が亡くなった時に、その手続きが開始するといってよいでしょう。
そこからまず、遺言書の有無を確認します。相続というのは、被相続人や相続人の気持ちや意向を尊重することが前提となっており、その点で、ただの法的な手続きとは異なるといってよいでしょう。
そして、誰が何を相続するか、という確認を進めます。この段階で、相続遺産の目録作成というステップを踏むことになります。
また、相続財産を分割する必要がある場合には、遺産分割協議という手続きに進みます。遺産を分割するにあたっても、相続人の意向をまず尊重する、というのが、相続手続きの前提となっています。したがって、遺産分割協議によって、話し合いによる分割の決定がなされるようになるのです。この遺産分割協議は、相続人全員の話し合いが必要です。
それで合意に至らない場合には、調停や審判による解決、ということになります。

②相続手続きの期限

亡くなった方に相続すべき財産があった場合、相続手続きが必要となります。この相続手続きですが、手続きの最後には、相続税の納付が必要となります。よって、納付期限までの時間が、実質的な相続手続きの期限ということができるでしょう。
相続手続きにおいて、最後のゴールというのは、すなわち相続税の納付となりますが、相続手続きのスタートはいつとなるでしょうか。これは、被相続人が死亡した日、といってよいでしょう。
そして、相続税の申告と納税は、被相続人が死亡した日の翌日から数えて10ヵ月以内に行わなければなりません。この10か月というのが、相続手続きの期限といえます。
この10ヶ月の間に、相続手続きとしてやるべきことは、かなりの量があるとえいます。遺言書の確認や、相続人の確認、そして遺産の分割といったことが必要となります。
こういった手続きに集中する時間があればよいですが、そうではない方、仕事や子育てがある、という方も少なくありません。そういった場合には、司法書士などに相談をするというのも、一つの選択肢です。期限内に相続手続きを終わらせるためには、そういったプロの手を借りるというのも効率的ですし、トラブルを防ぐという意味でも安心ができるといえるでしょう。

③相続手続き、各ステップのポイント

相続手続きというのは、いくつかのステップとして確認していくとわかりやすいといえます。また、そういったステップのそれぞれに、確認したいポイントもありますので、あわせて押させておきましょう。
まず第一ステップとしては、遺産の確認です。どういった遺産があるか、そして債務があるか、という事を確認します。このときに、葬儀費用などをこの遺産から差し引くような手続きも可能ですので、チェックしておきましょう。
次のステップとしては、遺言書の確認です。このポイントとしては、ただ確認するだけではなく、家庭裁判所による遺言状の検認の手続きも必要、ということです。
そして次に、相続人の確認をします。このときに必要となるのが、戸籍謄本です。すべての相続人、そして被相続人の戸籍謄本を取り寄せての確認となります。
また、同時に遺産の評価を行います。分割するにあたっては、どれだけの価値があるものか確認画必要だからです。
そして最後に、遺産の分割となります。この分割においては、遺産分割協議を行い、その結果を遺産分割協議書のかたちで作成します。
遺産分割協議がまとまらない場合には、さらに調停へと進みます。こういった各ステップにおいて、特に相続人の意見がまとまらない場合、難航することも考えられます。そういった際には、司法書士や弁護士のアドバイスを求めるのも、助けになるといえます。