自筆証書遺言の作り方⑪-豆知識

遺言を書く際、遺言が効力を発生した時に、遺言の内容を実現する「遺言執行者」を指定することができます。
今回は遺言執行者について、詳しく見ていきたいと思います。

遺言執行者の仕事

遺言執行者は、遺言に書かれた内容を実現するための人です。
具体的は、各種財産の名義変更や、預貯金の解約・払い戻しをしたり、財産を受遺者に移転したりします。

遺言執行者は、上記の行為をするための一切の権利・義務がありますので、遺言執行者の指定がある場合には、相続財産の管理処分は、遺言執行者のみが行うことになります。そのため、相続人が勝手に相続財産を処分するような行為は、できなくなります。

遺言者を指定しておくメリット

遺言執行者の指定がない場合、遺言に書かれた内容を執行するには、相続人全員の協力が必要になる場合があります。
しかし、相続人の数が多いようなケースでは、必ずしも相続人全員の協力が得られるかは分かりません。
もし、相続人の中に、遺言の執行に協力的でない人がいた場合、遺言の実現が難しくなります。
こういった場合に、遺言執行者が定めれていれば、遺言の執行に相続人の関与は不要となりますので、スムーズに遺言内容を実現することができるのです。

遺言執行者を指定するには

遺言執行者は、遺言書に記載することで指定することができます。
もし、指定が無かった場合でも、家庭裁判所に対して、遺言執行者の選任を申し立てることも可能です。

どういう人を遺言執行者に指定するか

遺言執行者に、特に資格の制限はありません。
未成年者と破産者については、遺言執行者に就任することができませんが、基本的にどんな方でも遺言執行者になることはできます。

ただし、遺言執行をするには、それなりの法律知識や事務能力も要求されますので、弁護士や司法書士などの専門職に依頼するのも良いでしょう。