自筆証書遺言の作り方⑧-豆知識

今回は前回に引き続き、遺言における財産の特定方法を見ていきましょう。

現金・預貯金

現金や預貯金は、以下のように特定していきます。

・「現金」

・「○○銀行○○支店 普通預金(定期預金)」

・「○○銀行○○支店 普通預金 口座番123456」

・「ゆうちょ銀行 通常貯金」

・「ゆうちょ銀行 通常貯金 記号1234 番号123456」

通常の銀行預金については、銀行名・支店名・預金種類・口座番号で特定します。
また、ゆうちょ銀行については、貯金の種類・記号番号で特定します。
一つの銀行に複数の口座があり、これをそれぞれ複数の相続人に相続させたいような場合には、通帳の記載をよく確認し、間違えないように記載しましょう。
また、預貯金の額については、相続発生時までに変動することが予想されますので、書かないほうが良いでしょう。

株や投資信託などの有価証券

株式

・「○○株式会社の株式 すべて」

・「○○株式会社の株式 2000株」

投資信託

・「投資信託 ○○ファンド すべて」

・「投資信託 ○○ファンド 5000口」

出資金

・「○○信用組合に対する出資金 すべて」

有価証券の場合、取引していた証券会社の会社名・支店名なども記載しておくのが良いでしょう。
また、ある特定の銘柄のすべてを相続させたい場合は、株数や口数が相続発生時までに変動することもありえますので、これらについては、記載しないほうが良いでしょう。

債権

・「平成2年3月4日に甲野太郎に貸した貸付金 金200万円」

・「平成2年3月4日○○商店に対する売掛金債権」

・「○○事業における売掛金債権のすべて」

債権については、発生年月日や相手方などで特定します。