相続財産に関する費用について

今回から、「相続財産に関する費用」について、詳しく解説していきたいと思います。

相続財産に関する費用とは

そもそも、相続財産に関する費用とは何のことでしょうか。
これは、相続財産を保存したり、清算したり、これらに付随する行為をするために生じる費用のことを言います。
この相続財産に関する費用は、相続財産の中から賄われる(支弁する)ことになります。

相続財産に関する費用が生じる行為

・相続の承認または放棄までの相続財産の管理

相続放棄がされた後、新たに相続人になった者が管理を開始できるようになるまでの、相続放棄をした者による相続財産の管理

単純承認がされた後、財産分離請求がされた場合の、単純承認した者による相続財産の管理

・単純承認がされた後、遺産分割協議がされるまでの相続財産の管理

・限定承認がされた後の、限定承認した者による相続財産の管理

・財産分離の相続財産清算のための管理

・相続人不存在時の相続財産清算のための管理

・遺産分割協議を目的とした行為(例えば、遺産目録の作成・遺産分割調停の申し立て等)

相続財産に関する費用ではないとされるもの

・相続税

相続税は、相続人に課せられる、相続人固有の債務とされています。

・葬儀費用

葬儀費用は、喪主や参加者の支出によって賄われるものなので、相続財産とは別個のものとして考えられています。

相続財産の負担とならないもの

・相続人の過失によって生じた費用

・贈与への遺留分減殺請求によって得た財産