自筆証書遺言の作り方⑦-豆知識

今回から何回かの分けて、遺言書に記載する財産の特定の仕方について、確認していきたいと思います。
遺言書を書いても、財産が特定できないというのでは、せっかく書いた遺言書が台無しになってしまいますので、しっかりと確認していきましょう。

不動産について

遺言書に不動産を記載していく場合、主に以下のような記載の方法があります。

・「すべての不動産」

・「すべての土地」

・「新宿区高田馬場一丁目2番3の土地」

・「所在 新宿区高田馬場一丁目
 地番 2番3
 地目 宅地
 地積 100.20㎡ 」

・「すべての建物」

・「新宿区高田馬場一丁目2番地3
 家屋番号 2番3の建物」

・「所在    新宿区高田馬場一丁目2番地3
 家屋番号  2番3
 種類     居宅
 構造     木造スレートぶき3階建て
 床面積    1階 30㎡ 2階~3階 50㎡」

・「新宿区高田馬場一丁目2番3の土地上にある(未登記)建物」

土地は所在と地番、建物は所在と家屋番号が正確に記載されていれば、特定できます。
これらの所在等は、法務局で取得できる登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を確認して記載しましょう。
登記事項証明書は、遠方の不動産のものであっても、最寄りの法務局で取得することができます。

土地を記載する場合には、私道部分になっている土地を書き漏らさないよう、十分に注意しましょう。
自宅に敷地の面している私道がある場合、近隣の方と共有により所有していることが多くあります。
しかし、私道は、自己の所有であるというこの認識が薄く、遺言に記載し忘れてしてしまうことが予想されます。
もし、私道のみを遺言に記載し忘れた場合、私道部分については、相続人全員で遺産分割協議をしなければならなくなるので、要注意です。

不動産の共有持分がある場合、持分の記載方法は以下のとおりです。

・「…の共有持ち分の全部」

・「所在 豊島区池袋一丁目
 地番 2番3
 地目 宅地
 地積 99.12㎡ 
 共有持分 5分の1