自筆証書遺言の作り方⑤-豆知識

付言とは

遺言には、相続人の指定などの本文以外に、自身の「想い」や「願い」などを記載することもできます。
これを「付言」といいます。
付言には、法的な効力は生じませんが、相続人に対する感謝の気持ちや、なぜこのような遺言にしたのかという理由を書くことによって、相続人の遺言内容への不満を和らげる効果が期待できます。

また、葬儀の方法や、お墓のことなど、死後の事柄についての希望を書いておくのも良いでしょう。

以下では、付言の記載例を、見ていきます。

付言に記載例

[事例1] 特定の相続人に相続させた理由を記載したもの

私の唯一の財産である○○の不動産をAに相続させるとしたのは、私が病気で入院していた際、その費用を負担してくれたのみならず、献身的に私の面倒を見てくれたからです。

[事例2] 遺産配分が少ない相続人へ、その理由を記載したもの

Aには、これまで、留学費用や、自宅の改築費など、かなりのお金を提供してきました。一方、BにはAほどお金を提供する機会はありませんでした。そういったことを考慮して決めた遺産配分ですから、Aはこの点を理解してください。

[事例3] 葬儀方法の希望を記載したもの

私の葬儀については、以の要領で行われることを希望します。
 1.無宗教でおこなうこと
 2.参列者は、親族のみとして密葬で行うこと
 3.葬儀にかかる費用は、遺産の中からこれに充てること。